12/14 リハビリ屋 脊柱セミナー 胸椎・胸郭編 in 長崎(大村)④

2025年12月15日

セミナー ブログ

12/14(日)リハビリ屋主催(長崎・大村市)の脊柱セミナー胸椎・胸郭編 in 長崎(大村)第4回を有料老人ホーム泉の里3号館(長崎県大村市徳泉川内町829)にて開催いたしました。

第4回は、①神経系の可動性テスト、②機能的筋長テスト、③荷重伝達テストの3本立て。

①神経系の検査

脊髄と硬膜の付着、硬膜と脊椎の付着を説明。
生理的な彎曲に比べて胸椎の後彎が大きくなると硬膜の遊びが少なくなることで常に硬膜に緊張感が生じている。

硬膜の胸椎レベルの評価として、長座位でのスランプテストを実施。

次に神経根(神経叢)の検査。
胸椎レベルは神経叢は存在しないため、頸部における腕神経叢を検査。
症状ありの場合、末梢神経(正中神経、橈骨神経、尺骨神経)の検査を実施。
更に腕神経叢を形成しない、肩甲背神経や長胸神経を検査。
翼状肩甲として現れるかどうかを確認する。
また腕神経叢の内側神経束から分枝する肋骨上腕神経が T4 syndorome に関係することからTh1レベルの神経根の検査を実施。

休憩を挟んで、皮膚の評価。
熱感の確認、スクラッチテスト、ピンチテスト、スキンロールをそれぞれ説明・実施。
神経後枝から分枝する皮枝についての理解を深める(体性皮膚反射)。

②機能的筋の長さ

横隔膜、後縦システム、後斜方向システム、小胸筋、斜角筋の機能的筋長を検査。
横隔膜では胸骨下角、Zone of Apposition を評価し、正常から逸脱すると起こる機能障害を説明する。

お昼休憩の時間が迫ってきたので、ここで昼食タイム。
年内最後の勉強会ということもあり、昼食前に恒例のじゃんけん大会。
(今回は参加者皆様にお土産あり)

13時少し前より、午後開始。

後縦システムでは背臥位及び座位で検査方法を実施。
後斜方向システムでは通常回旋動作と上肢90゜挙上位で比較する。
小胸筋では座位で肩を後退させたり、背臥位での肩峰の高さ(位置)を確認することで検査。
斜角筋では頸部の側屈(肩下制位)や腕神経叢を緊張させた状態で検査。

③荷重伝達テスト

第11・12肋骨の安定性の評価として、prone arm lift test および sitting arm lift test を実施。
浮遊肋骨である第11・12肋骨の安定性の必要性を理解。

胸郭の捻れに伴う、非対称性の筋の収縮特性を利用した背臥位での上肢90゜挙上テスト、腹臥位での肩伸展テスト、水平伸展テストを実施し、胸郭の捻れと筋収縮特性との関係を確認する。(詳細は割愛する)

終了予定時間(15:00)を15分ほどオーバーし、今回は終了。

今回も感じたことですが、参加者の学ぶ姿勢にいつも感動しています。
参加者の表情見ながら説明していると、表情が厳しくなったりすることが今まではあったと記憶していますが、今シリーズについてはそれは見当たりません。
かなり職場で復習しているのでしょう。ありがたいことです。
ハンドリングも申し分ありません。
リハビリ屋の冨永先生が掲げる趣旨が十分に伝わっているなと感じる瞬間です。

リハビリ屋代表である冨永先生、アシスタントの樫尾先生、川尻先生ありがとうございました。
参加者の皆様もありがとうございました。

施設をいつも拝借している泉の里3号館につきましても、この時期大変な感染対策の中、ご迷惑をおかけしています。利用する側もしっかり感染対策し、少しでも職場スタッフの皆様にご迷惑をおかけしないよう努めて参ります。

年末の多忙な時期にも関わらず若い方の参加があり、感謝しています。
わかりやすい説明を今後も続けていきたいと思います。
そして、少しでも日々の臨床の解決のヒントになればと願っています。

次回は、令和8年1月11日(日)第5回 徒手的アプローチ①Mobilization です。
初めての参加でも大歓迎です。復習も含めて行います。
興味があれば遠慮せずにどうぞ、下記までご連絡ください。
rehabiliya@gmail.com リハビリ屋代表 冨永まで